【白アンダーギー】

【白アンダーギー】

アンダーギーアンダ(油)とアギー(揚げ物)が一つになった言葉で、揚げ物を指すが、特にドーナツの生地のようなものを揚げる場合に使われる。
小麦粉を卵、かつおだしで溶き、塩で味付けした生地を小皿や玉杓子で適宜すくい、鍋肌に沿わすように生地を流し入れる。重みで油に浸かった生地の部分が膨れ、鍋肌に張り付いたままの部分がパリッとした薄い羽のようになり、全体がおたまじゃくしのような形になる。この形から
カタハランブー(片方が重いもの)、クバアギー(蒲葵の葉に似ている)とも呼ばれるようになった。
もともと、単にアンダーギーといえば白アンダーギーを指し、砂糖を加えたものには、サーターアンダーギーといって区別していたようである。
結納の時には、直径が手のひらほどの大きさの白アンダーギー、サーターアンダーギー、松風がセットになって、縁起菓子として用いられる。

【スーチキー】

豚肉の塩漬けのこと。昔は、正月前に豚一頭を殺し、殺したその日のうちに腐敗しやすい蔵物や血イリチー(豚肉や野菜を豚の血液でもんで炒め煮にしたもの)を食べた脂身はアンダになった。正月用以外の残りの肉は塩漬けにして保存し、一年の間小出しにして大切に使った。
栄養的にも肉を塩漬けにすると余分の脂肪分が抜け、表面の水分が出て生肉とは違った旨みが増す。
一時見かけなくなっていたスーチキーだが、現在は市場の店頭に並べられている。食べるときは一晩水につけてから、二、三度茹でて塩気を除き、薬味を入れたしょう油をつけて食べたり、炒め物や煮物にする。

【ス―ネー】

スーネーは主に豆腐や味噌を使った和え衣で和える白和えを指す。酢の物、和え物を表す言葉にウサチ、ウセー、エーイ、ウエームン、サシミなどがあるが、ウサチは酢の物のみに、サシミはす味噌和えに使われており、その他の語は、酢の物、和え物どちらにも使われている。
スーネーの代表的なものは、ンジャナ(ニガナ・ほそばわだん)スーネーやンスナバー(ふだんそう)スーネーである。
ンジャナスーネーはンジャナを生のまま、細かい千切りにし、水に浸してアクを抜き、スーネーにする。ほろ苦い味と、生の葉っぱの歯触りが和え衣で包まれ妙味である。また、ンスナバースーネーはンスナバーの色が退色するくらいまでよく茹で、和え衣で和える。ンスナバーのとろけるような食感と和え衣が一体となり、独特の味を出す。
このほかに、いろいろな酢の物や和え物がある。今はほとんど見られなくなった、懐かしい味にカシジェー(酒粕)エーイがある。

【スク】

あいごの稚魚のこと。おもに海藻やサンゴ礁に付着した藻類を食べる雑食性魚類である。沖縄・奄美近海ではしもふりあいご(マーエー)、ごまあいご(カーエー)など11種類がみられるという。沖縄ではスクとして知られ、その幼魚が決まった時期に群をつくり、沿岸浅瀬に寄ってくる現象は風物詩にもなっている。「スク荒れ」という表現もあるように、スクの寄る時期は、海の天候も不安定になるという。成魚になると、刺し網や小型定置網等で漁獲される代表的な魚種である。独特の鋭い背ビレがあり、釣りでは警戒される。
やや磯臭さはあるが白身の魚で身が取りやすいなど魚汁にはもってこいの食材といえよう。マース煮(潮汁)といった、単純で素材そのものの味で勝負する魚料理の代表である。スクを材料とする塩辛スクガラスも、沖縄を代表する伝統食品である。
琉球王朝時代には、塩辛は沖縄から中国へ輸出する重要な海産物であった。中国人の嗜好に塩辛は合うようで、冊封使録といった中国側の記録にもその紹介は多い。暑い沖縄で魚を保存するには、氷のない時代にあって塩で保存(塩蔵)、煙で燻す(燻煙)、乾燥(乾物)する。といった方法しかない。スクガラスは大量に獲れたスクを塩辛にして保存する先人の知恵ともいえよう。沖縄では定番である、豆腐の上にスクガラスを載せる食べ方は、豆腐はグルタミン酸の旨み、塩辛はイノシン酸の旨みという最高の組み合わせである。小泉武夫(東京農大、食物研究者)流に言えば「その旨み同士が口の中で融合するのですから『もういいわよ、もういいわよ』ということに相成る」と述べている。そして、スクの骨がかたいこともあって、スクガラスをすり鉢でペースト状にすれば、食べやすくなるとも助言している。見かけ以上に、歴史と食品としての価値が大きな魚だと思う。


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