ラードと小麦粉で作るパイ皮のようなさっくとした皮に、香ばしい胡麻あんを包んだ揚げ菓子。王朝時代から作られている。大鶏餃とも表記され、中国伝来の菓子と思われる。
皮には赤と緑の色粉で着色した生地を練りこんで模様をつけ、楕円形に伸ばし、あんを中央に置き半分に折って半円形にする。二枚に重ねた部分に餃子のようにひだを付けるが、滑らかな縄のようなひだではなく、尖ったひだをつける。そのひだの部分が鶏冠に似ていることから付けられた菓子名だと思われる。
王朝時代の文献には、着色料は赤しか記載されておらず、本来は赤だけだったのが、いつのころからか、緑も加わったようである。
日常の菓子として、また法事用の菓子として用いられる。
【タコライス】
メキシコ料理のタコスの具である挽肉やレタス、トマト、チーズをごはんの上にのせたユニークな料理。
タコスはもともと、沖縄に駐留していた米兵が持ち込んだ料理で、米軍基地が集中してる沖縄市や金武町にはタコス屋が多かった。
タコライスはその金武町で考案された料理。当時は円高ドル安時代の真っ只中にあった。基地の外で思うように食事がとれない米兵達を見かねたタコス屋の主人が、彼らにも安くてボリュームのある料理を食べてもらいたいと開発したとされる。
当初は沖縄本島北部の名物メニューだったが、肉のタンパク質と野菜のビタミン・ミネラル・食物繊維も同時にとれ、栄養価も高い料理であることから、現在では県内の小中学校の給食にも取り入れられるまでに定着。また、具とソースがセットになったレトルト商品もはんばいされるなど、戦後生まれの新たな「郷土食」として普及している。いいものはなんでも取り入れる沖縄のチャンプルー文化が見事に結実した料理といえるだろう。
【タンナンファックルー】
小麦粉と黒砂糖で作る。丸い扁平な焼き菓子で、素朴な味わいがある。
タンナンファックルーは、100年以上の歴史を持ち、首里の玉那覇家が、あんを入れないクンペン(光餅)風に焼いたものといわれている。クンペンより安価なので、クンペンより安価なので、クンペンより安価なので、クンペンの代用品として、庶民に喜ばれた。
菓子の名前については、玉那覇(タンナファ)さんという色の黒い(イルクルー)菓子職人タンナファのイルクルー)が焼いた菓子、あるいは玉那覇(タンナファ)さんが焼いた黒い(クルー)菓子に由来するといわれている。
タンナファックルーはスーパーなどでも手軽に買え、飽きのこない味で、根強い人気がある。また、沖縄を離れている人達の郷愁をそそる味でもある。
【チキアギー】
魚のすり身を人参やゴボウなどと混ぜて成形して油で揚げた、いわゆる揚げかまぼこのこと。
チキ(付け、漬け)とアギー(揚げたもの)に由来しているといわれ、鹿児島のツケアゲ(薩摩揚げ)と名前もよく似ていることから、薩摩揚げのルーツとされている。
タイのトートマンプラー(イワシのすり身を揚げた料理)など熱帯園の東南アジアでもよく似た料理があるが、食品が傷みやすい高温多湿の沖縄でもかまぼこなどは揚げるのが一般的。保存食としての利用価値も高い食品である。
かっては、グルクン、カジキ、トビウオ、アジなどの近海物が原料として使用されていたが、現在は価格が安くて大量生産に向くスケトウダラが中心になっている。
良質のタンパク質を含んでいるほか、血液中のコレステロールや中性脂肪を減少させる魚の不飽和脂肪酸(DHA、EPA)がそのまま摂取できるので、栄養的にもすぐれている。
【チデークニ】
沖縄ニンジンのこと。沖縄原産のセリ科、一年草。出回るのは10月後半から3月中旬頃になると芯が固くなってくる。
細長い黄色で肉質は柔らかい。独特のにおい(カロテン臭)は好き嫌いあるが、沖縄ではこのにおいを好む人は多い。また、薬効があるとされ、シンジムン(煎じもの)には欠かせないものである。
おもに、イリチー(炒め煮)や天ぷら(長いまま揚げてから5、6センチくらいに切る)にして食べられるが、彩やかな黄色が煮物やサラダや白和えなどの彩りとして生きる食材である。
成分は特にカロテンが多く含まれ、ビタミンAの重要な給源となる。
【チャーラミカスン】
沖縄の料理はチャーラミカスン料理が多い。チャーラミカスンとは、フライパンなどに油を敷きつめて具を入れて炒めるときのチャーラ、ーチャーラという音からきている。ミカスンとは動作のことで、何々をやる、みたいな意味だ。ちなみに大太鼓を1発ドンと鳴らすことをドンミカスンという。チャーラミカスンは、転じて、簡単に作れる料理のこと。軽く一丁あがりという感じである。一気呵成に炒めるということであり、中華料理におけるあの強火を想像していただければわかりやすいかもしれない。沖縄を代表するチャンプルーだと、豆腐を投げるようにしてフライパンに放り込むのだが、強火であればあるよど、美味しく食べられる。
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