チャンプルー

【チャンプルー】

チャンプルーには、「混ぜ合わせる・炒め物・簡単な食事」という意味があるが、現在は調理用語以外に、何でもごちゃごちゃに混ぜて、沖縄風に消化してしまうスタイルをチャンプルー文化と形容したりもする。
 琉球料理のルーツは中国との交流の中から生まれたものが多く、チャンプルーの語源にもそれがうかがえる。中国福建省地方の言葉で、簡単な食事という意味である「シャポン(喰飯)」や、中国の惣菜のひとつである「炒腐児」、肉や野菜などありあわせのものを即席で炒めた「チャプスイ(雑砕)」、炒めるときの音の擬声音(チャーラ・チャラミカスン)などがチャンプルーの語源と考えられている。
 また、インドネシアには「混ぜる」という意味の「チャンプルー(champur)」という言葉があり、皿の中央に盛った飯(ナシ)のまわりに数種類のおかずを盛り、飯と混ぜ合わせながら、食べる料理、ナシ・チャンプルーが語源だと言う説もある。しかし、どれも定かではない。
 沖縄でチャンプルーと言えば野菜を中心に、複数の具を混ぜ合わせた炒め物の総称で、豆腐が入ったものとされ、豆腐と組み合わせられるメインの野菜が料理名となる。そして、豆腐とメインの野菜以外の具は家庭によって異なる。例えば、ゴーヤーチャンプルーは、ゴーヤー(にがうり)と豆腐のほかに、家庭により卵・玉ねぎ・豚肉・シーチキン・ポーク缶などが入る。同様にマーミナチャンプルー(もやしと豆腐)、チリビラチャンプルー(ニラと豆腐)、タマナーチャンプルー(キャベツと豆腐)、チキナーチャンプルー(からし菜の塩漬けと豆腐)などがある。
 沖縄を代表するもっともポピュラーな家庭料理であり、伝統食が消えていく現在でも頻繁に食べられている料理である。
 昔はラードで炒め、塩のみで味付けしていたが、現在では植物油で炒め、しょう油や砂糖が入ったものもある。主食がさつまいもから米に代わり味付けも変化したのではないだろうか。また、塩分と脂肪の多いポーク缶類が使われることが多くなった。


【冬瓜漬】

冬瓜を砂糖煮にし、周囲に砂糖をまぶした菓子。
 冬瓜は皮をむいて大きく切り、味のしみこみをよくするため、金串でブツブツと穴を開ける。冬瓜のアク抜きと、身を締めるため、石灰水に半日くらいつける。石灰水から取りだしたら水洗いし、石灰分をおとす。鍋に冬瓜、冬瓜と同量の砂糖、水をいれて弱火で長時間煮る。冬瓜に火が通り、砂糖が煮詰まってきたら、火からおろし、熱いうちに砂糖をまぶすと出来上がる。とても甘い菓子であるが、周囲の歯ごたえに対し、中の柔らかさがなんともいえないおいしさである。
 冬瓜は4月から10月までが収穫期なので、その間に多く作られるが、冬でも保存がきくので、年間を通じて作られる。
 茶請けとして用いられ、茶席の菓子としても需要が多い。
 昔からかんきつ類の砂糖煮である桔餅と冬瓜漬は同じ店で売られ、常に並んで表記されていたため、両者を混同している人が多いが別物である。


【島豆腐】

沖縄で作られる木綿豆腐を、食品成分表上では沖縄豆腐の名で記載している。地元では、島豆腐と呼んでいる。
 豆腐の上にあえて「島」と形容するのには大きな訳がある。本来だと単に「豆腐」でよっそうなものだが、日本豆腐(ここでは区別するためにあえて「日本豆腐」と呼ばせてもらう)とは似て非なるものである。硬い、大きいという外見的な特徴を有するのだが、最も根本的な違いは「熱い」が加わってくる。
 そう、島豆腐は情熱的なほど熱いのである。暑い日も寒い日も、常にヒジュルコーコー(冷たい)状態で販売される日本豆腐と違って、島豆腐は産まれたてのアチコーコー(熱々)の状態で販売される。
 豆腐の出生について考えてみる。どちらも熱いのである。成型以前はいずれも「ユシ豆腐」である。これが実に美味。日本製も沖縄製も美味である。なぜ美味しいのか。それは熱いからに他ならない。色白は七難隠す、と言うが豆腐もアチコーコー(熱々)は七難を隠すのである。
 何故、沖縄の島豆腐は熱いのか。逆に言えば何故、日本豆腐は冷たいのか。それは、日本国の食品衛生法に起因している。法律では、「常に引用的でもって保存しなければならない」と定めていて、法律は豆腐の命を奪ってしまっている。なんと愚かな法律だこと。沖縄はかろうじてこの愚法から免れた。芸能人は歯が命というが、豆腐は熱さが命なのである。
 島豆腐は大きくて硬いと書いた。ただそれだけなら全国のどこかにあるはずである。確かにサイズは通常の約3倍もあり、硬さとなると尋常ではない。だが、違いはこれだけではない。そもそも製造過程で決定的な違いを見せる。豆は同じ大豆を使うのだが、豆を煮てから磨るか、それとも生のままで磨るかの決定的な違いがある。島豆腐は後者である。ゆえに味クーターの豆腐が生まれる。栄養素も生が高いという研究論文を見たことがある。
 実は、豆腐には二つのルートがあると仮説を立てている。いずれも中国からなのだが、一つは朝鮮半島から沖縄をのぞく日本に。そしてあとの一つが福建省から直接沖縄へ。日本と沖縄の豆腐は、元々そのルートから違っていたと考えている。



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