とうふよう

【豆腐よう】

豆腐を米麹、紅麹、泡盛などのつけ汁に漬け、6ヶ月くらい熟成発酵させた、王朝時代からの伝わる食品のこと。中国にも腐乳という似た食べ物があることから、豆腐の保存食として18〜19世紀の初め頃、中国から琉球に伝わったとされる。
 豆腐ようの特徴はなんといってもその独特の風味。長時間、発酵させることで、漬け汁から様々な酵素が生成され、これらが作用して独特のなめらかな食感とウニやチーズのような特有の芳香が生まれる。
 このことから、「東洋のチーズ」とも呼ばれるが、一度にたくさん食べるものではなく、あくまでも珍味。泡盛、それもアルコール度の高い古酒の肴として珍重され、箸の先や楊枝で少量を削いで、舌先に乗せて味わうものである。
 原料が豆腐なのでたんぱく質に富み、胃壁の保護に効果があるとされる。また、米麹の中にはコレステロール合成阻害成分が含まれているので、近年はヘルシー食品としても脚光を浴びている。


【ナカミ汁(ナカミの吸物)】

ナカミ(豚の胃や腸)が入った澄み汁のこと。豚の胃腸には脂が多く付着しており、それが臭うので、昔は下処理に、細かく砕いた芭蕉の幹をナカミと一緒に籠の中に入れ、しごくように洗って、脂を取った。また、洗うだけでは、不十分なので、油で炒めたうえでおからや米ぬかを一緒に入れて茹でたり、みかんの皮を入れたりして臭いを消した。現在では、使用済みの油と小麦粉でもみ洗いしたあと、お湯で洗い流す作業を数回繰り返している。
 そのように下処理したナカミを長さ5.6㎝、幅5㎜くらいに切り、たっぷりの湯で柔らかく煮る。だし汁に少量のしょう油と塩で調味した澄し汁を別に作り、そこへナカミと、しいたけやこんにゃくなどを加える。好みで、ピパチ(ヒハツモドキ)やショウガ、みつばなどを加える。


【ナットゥンスー】

正月の茶請けに作られた香り高い餅。納豆味噌、年頭味噌と表記される。現在は1年中手に入る。
 もち粉、砂糖、赤味噌、ヒハツ(和名ひはつもどき、胡椒に似た香辛料)に水を加えて耳たぶくらいの硬さに練り、サンニン(月桃)の葉の裏に平たくのせ、上に落花生を四弁の花形に飾り、白ゴマを振りかけて蒸し上げる。サンニンの香りとヒハツのピリッとした絡みが利いた沖縄独特の餅である。
 日持ちがよく、硬くなっても焼いて食べるとサンニン、味噌の香りがいっそう強まり、美味しく食べられる。
 昔、辻の遊郭でよく作られたと言われている
辻の遊郭は社交の場で、料理屋の要素を兼ね揃えた、他府県には類を見ない遊郭であった。正月前になると、馴染みの客の家にお歳暮として届けられたと言われている。


【パイナップル】

南アメリカ原産のアナナス科の常緑多年草。果実の形が松かさに、味はリンゴに似ているのでパイン+アップルと名ずけられた。熱帯から亜熱帯にかけて広い地域で栽培されており、日当たりがよく、水はけの良い酸性土壌によく育つ。
 沖縄へは1888(明治21)年に国頭郡長の朝武士干城が小笠原から導入したのが最初であるとされている。更にさかのぼって、1866年にオランダの漂流船により石垣島にもたらされたという説もある。
 果実には芳香があり、多汁でさわやかな酸味と甘みに富み、酸類、カルシウム、ビタミンCやカロチン、ビタミンB2も含んでいる。果汁に含まれているたんぱく質分解酵素のブロメリン、酸味の元となるクエン酸は、胃酸の分泌をよくするので消化を助け、胃腸の健康を守る。また、ブロメリンは腸内の腐敗物を分解する作用があり、下痢、消化不良、ガス発生などの消化器系障害にも有効とされている。
 パイナップルは肉類と一緒に炒めると、肉が柔らかくなり、程よい酸味で旨みも増すが、ブロメリンは熱に弱く、60℃以上の熱を加えると効力が失われる。
 未熟果や追熟不十分の果実には、多量の酸のほか、シュウ酸石灰などを含むため、食べ過ぎると口の中は荒れて出血することもある。生の果実を食する時はよく熟させてから食することが大切である。
 パイナップルは、戦後、サトウキビと並んで沖縄の基幹産業であった。主に缶詰用として栽培されていたが1990年のパイナップル輸入自由化により、それまでの缶詰用(加工用)の品種と品種と甘くて香りの良い生食用の品種とを組み合わせた栽培へと変わりつつある。
 また、パイナップルの生食が好まれるようになった一方で、パイナップルワインやパイナップルリキュールなどの新たな商品も開発されている。


【花いか】

花いかは最高級の祝い料理である。身の厚いクブシミ(こぼしめ、甲いか)に複雑な切り込みを入れて茹でると、はいけて、色々な形になる。それを食紅(昔は紅麹)の液でゆでて、赤く着色し、薄く切ると、イカの白い身の赤く縁取りされたと切り口がくっきりと現れ、とても華やかになる。琉球料理の中では数少ない技法を要する料理である。
 クブシミは表面の厚い皮だけをむき、薄皮は残す。好みの幅に切り、強い繊維である横の繊維に沿って、表に切り込みを入れる。
 切り込みは通常左右対称に入れる。身の厚さに応じて垂直に包丁を入れながら、その切り込みからイカの厚みに平行に1本、2本と切り込みを入れるなど、複雑な切り込みを入れる。昔は殿内返し、蟹返し、馬返し、二階返しなどといわれる技法があった。
 また、東通盆や三月節句の重箱料理には欠かせないものであった。


この記事へのコメント

  • りゅういち

    はじめまして!!
    沖縄料理が好きなのでとても勉強になります(^-^)/
    2016年01月25日 23:37
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